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繊維の種類・織物・ニット生地の特徴・用語の繊維サーチ
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繊維関連用語集(日⇆英)
繊維/テキスタイル/織物の名称/特徴(Name of fabric)
織物の名称は
綿織物
、
毛織物
、
フィラメント織物
、
その他の布地:レース
によってそれぞれ特有の名称がある。
※1: 青文字の文字は、追加情報が記載されています。マウスオーバーで表示されます。
代表的な綿織物
金巾(かなきん Shirting)
シャーティングともいう。織幅により、二幅金巾(76㎝前後)、並幅金巾(91㎝前後)、三幅金巾(112㎝前後)などの種類がある。綿織物としては、比較的下級汎用織物である。
金巾の名称はポルトガル語から由来したもので、本来はインドで作られた薄地の平織り綿布をいう。金巾はたて、よこ糸とも27~40Sの糸を使い、密度はたての方がやや多く、たて、よこ合計90本の平織物である。用途:敷布、テーブル掛け、エプロン、裏地 etc.
ポプリン (Poplin)
ポプリンの語源はフランスの地名「Popeline」からきたもの。スカート、ジャケット、エプロン、カーテン、テーブルクロスに使われる。
たて、よこ糸に30~50Swo使い、よこ密度に比べて、たて密度を1.5倍~2倍にした緻密な平織りである。ブロード・クロスよりは畝が太いもの。もともとは絹と毛の交織物であったが、現在は綿織物が多く、毛、絹、ポリエステルなどでもつくられる。
ローン (Lawn)
ローンの名称は、フランスのラン(Laon)で織り始めたことに由来。たて、よこ密度の比較的よくにた織物。ローンはもともと麻織物であったが、現在は綿織物の代表的なもの。薄地の柔らかい手触りが特徴。用途:ハンカチ、プリントのブラウス地、造花、刺繍用生地etc.
オックスフォード (Oxford)
綿織物で、比較的厚地の柔らかくて光沢のある斜子織(ななこおり)をいう。オックスフォードの名はイギリスのオックスフォード大学からとったもので、この名で売り出したシャツ地に由来する。
カッターシャツ地などに多くつかわれる。しなやかな手触りのよい、光沢のある織物である。たて、よこ糸とも2本ずつ引揃えて平織に織る斜子組織の織物である。夏のカッターシャツ、婦人服に使われる。通気性に富み、しわも寄り難い性質。
ボイル (Voile)
たて、よこ糸に強撚糸を用いたさらっとした感触が特徴の平織物。薄地で軽く、密度が粗く透けてみえる。たて、よこ糸の撚り方向を逆にするのが特徴。用途:夏の婦人服、子供服、カッターシャツ、ブラウス etc.
ブロードクロス (Broad Cloth)
ブロードクロスという名前は英国での呼び方で、英国では、ポプリンと呼んでいる。しかしポプリンは、日本の場合は、ブロードクロスよりも畝の太いものを指す。
良質の綿糸、あるいは綿とポリエステルの混紡糸を用い、たて糸を密にして、よこ糸はたて糸と同じ太さかそれより太い糸を用い、布面によこ畝が現れた平織物。なめらかな手触りで、光沢があり高級感がある。用途:シャツ、ブラウス、パジャマ、カジュアルスーツなど幅広い。
ガーゼ(Gauze)
たて・よこ40番手の甘撚りの単糸をたて密度30本/inch、よこ密度22本/inch程度のきわめて粗い平織にして、柔らかく仕上げた綿織物。精練・漂白して衛生用材料や幼児用肌着、ハンカチなどに使われる。
タッカー/タッサー(Tusser/Tussore)
柞蚕(さくさん)、柞蚕絹、柞蚕織物のこと。ポプリンよりもよこの畝が太くあらわれたやや厚手の綿織物のこと。
厚手のポプリンといった織物。ポプリンよりもよこ方向のうねが太く表れた平織物。たて、よこの密度の差と、たて糸よりもよこ糸が太いことによってよこ方向に畝が表れる。用途:婦人子供服、ユニフォーム、コート地 etc.
楊柳クレープ (Striped crêpe)
楊柳縮緬(ようりゅうちりめん)、片縮緬(かたちりめん)ともいう。布面に絞りのある織物のことをクレープ、またはちぢみ織物と言うが、楊柳とはたてクレープ、たてちぢみのことである。
よこ糸に強撚糸を使って、布面にしぼ(凹凸)を出した平織物。撚りの戻ろうとする力(トルク)でしぼが出る。一方向の強撚糸を使うとたて方向に直線状のひだが表れるが、これを楊柳織物という。用途:夏用の肌着、寝衣、シーツ etc.
バーバリー (Burberry)
綿ギャバジンの1種で、高級ギャバジンともいわれる織物。もともとはロンドンのバーバリー社のコート地に付けた商標であるが、今では高級コート地の代名詞のようになった。緻密で、手触りがよく、なめらかで、光沢に富み、高級感のある織物。用途:コート地
天竺(てんじく T-Cloth)
天竺はたて、よこ糸とも20Sクラスで密度はたて、よこそれぞれ40~50本で金巾よりもやや地厚である。始めは、インドから輸入されたのでこの名がある。用途:敷布
太綾 (Drill, 雲斉, 葛城:かつらぎ)
ドリルともいう。
細い糸を使った薄手の細綾に対して、たて、よこ糸に30~40S以下の太い糸を使った厚地の綾織物である。2/2の綾織の白地、無地染めを雲斎(うんさい)。葛城(かつらぎ)は双糸使いの3/2、3/1の綾織があり、今は3/1がメインで、ワーキングウェアの代表的な生地。
リップル (ripple)
綿繊維が苛性ソーダ溶液で膨潤収縮する性質を利用し、仕上げ加工によって布面に波状の凹凸を作り、外観をサッカーに似せた綿織物。苛性ソーダにより、部分的に収縮させ、支持らのある部分とない部分を現す。
デニム (Denim)
デニムという名前は、フランス語のサージ・ド・ニーム「serge de nimes(ニームで織られるサージの意)」の訛ったもの。
たてにインディゴ(天然染料、藍)で染めた綾織に織った厚手の織物。たて糸をインディゴで染める場合、中白(なかじろ)といって染料を糸の中まで浸透させず、表面だけ染めるようにする。用途:ブルージーンズ
ダンガリー (dungaree)
本来はデニムとは反対に、経糸にさらし糸、緯糸に色糸を用いて斜文織にしたものをいう。近年では、経糸に色糸、緯糸にさらし糸を用いて平織が主体で作られている。
ピケ (Pique)
たて、よろ二重組織で、織り方によって布面にたて方向のうねを表したもので、ベッドフォードコードともいう。畝の細いものピンウェールピケ (pinwale pique)、畝の広いものをワイドウェールピケという。
ダマスク (Damask)
日本の綸子(りんず)や緞子(どんす)がこれにあたり、サテン・ダマスクともいう。
絹織物の産地、ダマスカスが原産地であることからこの名があるが、現在は綿使いがほとんどである。ジャカードで大柄の模様を織り出しており、昔からぶどうや花柄が多い。また白、淡色が多い。用途:食卓用テーブルクロス、ナプキン
コーデュロイ (Corduroy,コール天)
別珍と同様、よこパイル織物の1種。羽毛がたての方向に畝として現れるのが特徴。幅は、3㎜前後のものが多い。畝の太いものを鬼コール、畝の細いものを細コールといい、いずれも丈夫で厚手の織物である。無地染めが多い。用途:婦人子供服、カジュアル服
別珍 (べっちん, Velveteen)
ベルベッチンの和名で、別名綿ビロードともいう。
毛羽(けば)が全面を一様に覆っている感触の柔らかい厚手の織物。毛羽はよこパイルを剪毛用のナイフでカットして作ったもの。地組織は、平織と綾織があり、それぞれ平別珍、綾別珍と呼ばれる。用途:肩高いので合冬の婦人子供服、カジュアル、ウェア、紳士服。
レノクロス (Leno Cloth, からみ織)
からみ織のことで、よこ糸をたて糸2本でからませて、目ずれをしないようにして織った密度の粗い、透けて見えるような薄手の織物。綿の優れた吸収性と、からみ織の通気性の良さとが加わり、夏の衣服として用いられる布地。用途:ワンピース、ブラウス、カーテン生地
グログラン (Grosgrain)
グログランの名は、フランス語の「gros(大きい、太い)」、「grain(穀粒)」からきている。
タッサーよりよこ畝が大きく現れ、厚手のしっかりした地合の織物。たて密度をよこの3~5倍にして平織にしたものである。用途:婦人ドレス、コート
蜂巣織 (Honeycomb Weave)
蜂巣織(haneycomb weave, waffle cloth)は、ハニコムともいう。
浮き糸を四角形に使ってマス型の凹凸を織り出し、ちょうど蜂の巣に似ているところからこのように呼ばれる。地厚い感じを与えることと肌触りの良さが特徴。シーツによく使われているが、これは夏はさらっとした感じで、冬は保湿性があって暖かい、というところが理由。
シアサッカー (Seersucker, しじら織)
単にサッカー、又はしじら織りともいう。
たて糸をある間隔をもってたるませる部分と、張った部分を交互に配置して織り上げると、たての糸のたるんでいる部分は凹凸のしぼができる。このしぼのあるところとしぼのない平らなところが交互にストライプ状に表れた織物。
コード織 (Cord Weave)
もともとレーヨンを使った織物であったが、戦後アメリカから綿織物で紳士用夏向きスーツ地として伝わってきてからわが国でも定着した。紺や茶色の糸と、白い太めの糸で細かい畝がたてに表れた織物。手触りがさらっとして、やや固めで夏向きの紳士スーツ地使用。
シャンブレー(Chambray)
本来はたて糸に色糸、よこ糸に晒糸を使って霜降り効果を表した織物のことであるが、現在ではたて、よこ異色の糸を使ったものをすべてシャンブレーといっている。無地調先染め織物。薄手のものはブラウス、厚手のものは婦人服などに使われる。
ギンガム (Gingham)
染糸、または晒糸を使って格子柄か、たて攻縞に織った平織である。一般的には格子柄のことをギンガムというが、たて縞のものはとくにストライプギンガムという。用途:カジュアルシャツ、ブラウス、ワンピース、子供服、パジャマ
ファンシーヤーン・クロス
(Fancy Yarn Cloth)
太さや色合い、または撚数などの違う糸を2~3本撚り合わせたり、または特殊な機械操作によって不均一な撚り方をし、ループ、ネップ、スラブなどをつくり、装飾的な外観を待たせた糸をファンシーヤーン(意匠糸)という。
ドビー織物 (Dobby Cloth)
ドビーという開口装置で織った模様織物。糸使いは素材、番手ともいろいろであるが、薄手の織物が多い。毛用は小柄の連続模様であるため、たての模様縞を呈する。ポプリン組織によるドビー・ポプリンが比較的多く、カッターシャツ、婦人服、ブラウスなどに使われる。
ジャカード織物 (Jacquard Cloth)
紋織物、単にジャカードともいう。ジャカードとは、この開口装置発明したフランス人の名前で、開口装置のこともジャカードという。
綿織物だけではなくけ、フィラメント織物にもジャカード織物はある。ドビー柄よりも大柄な模様を織り出せる開口装置がジャカードである。どんな模様でも織柄として織物上に表すことができる。素材もいろいろ使われ、衣服用、カーテン、和服地、毛布など用途は広い。
タオル (Towel)
織物の片面、両面にわなを出したもので、パイルたて糸の張力をゆるめておき、よこ糸を打ち込み、パイルたて糸でわなを作る。用途:タオル地
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参考書/引用文献(Reference)
1. 今須久榮((1994),わかりやすいテキスタイル商品企画,鳳山社
2. 一見輝彦(1993). わかりやすいアパレル素材の知識, 星雲社
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